「給食に採用され農家として母親として嬉しい。これからも子どもたちの笑顔のために」と目を細めます。
藤井布美さん(37)は大分県の生まれで13年前に結婚を機に小郡に越してきました。嫁いだ藤井家は明治から3代続く古飯で有数の大農家で、約11haの畑や田んぼを所有しています。
どこまでも広がる農地を見た藤井さんは「農業経験のない自分に何ができるだろう‥」と少し不安になったそうです。が、義父の豊志さんの優しい指導で野菜づくりに開眼。今では3棟(約5a)のハウスでニラづくりを担当しています。
「かなりハードですよ‥」と何度も縫い合わせた作業着の膝を指さします。ニラは苗を一度植えると、最長で先2年に渡って茎が生え続けます。苗を植え代えないで良い一方で成長するスピードが早く、機を逸するとあっという間に市場では受け入れられない規格外品になってしまいます。「夏場は4時起床、冬場は霜が溶けるのを待ち収穫。もう家族でニラに睡眠時間をコントロールされている」と苦笑いの藤井さん。
そんな藤井さんは13歳の長女、10歳の長男、6歳の次女のお母さん。自慢のニラが宝満の市を通じて市内小中の給食に採用され、子どもの友達や保護者から「野菜が苦手だったけど克服した」「ニラが大好きになりました」などと感謝の手紙をもらうそうです。読んだ時に農家として母としてニラを生産して良かったとつくづく思うそうです。
藤井さんの趣味は三人との料理。ニラを使った様々なメニューを楽しみます。豚肉巻き、チヂミ、もつ鍋、マヨネーズ和え、ギョウザ、ニラレバ‥子どもたちが笑顔でほお張る姿を眺めるそうです。
宝満の市で購入できる古飯産のニラ。「栄養価が高くスタミナの源。創作メニューで酷暑を乗り切りましょう!」と藤井さん。次は瞳に市民の笑顔を映します。